◆利琥◆




「葉凪!」


良い事を思いついた俺は、昼休みに葉凪に声をかけた。




が、無視。




分厚い本を目を見開いて読んでいた。

俺様を無視すんなんて、いい度胸してるじゃねぇか。



「葉凪!!!」


少し声を荒げると、慌てて葉凪が振り向いた。


「っ、はい!!?」




「俺、スターフルーツ味のファ○タ飲みてぇんだけど」


んなもん存在しねぇが、こいつなら信じるだろ。




なにより俺様の命令だからな。



葉凪はそわそわしながら、

「あのぉ…ちょっと昼休み、間に合わない気が…」

小さく呟いた。



は?

どうでもいいんだよ、んなの。






「知るか、さっさと行って来い」

そう言い放つと、何か言いたそうな顔をする葉凪。


グッと堪えている様子に、思わず微笑んでしまいそうになる。