「利琥」
「何も、隠してねーよ」
「本当?」
「本当」
「…分かった」
良かった。
嘘を付いてる罪悪感はあるけど、もう少しの辛抱。
耐えろ、自分。
「葉凪、一緒に食べるか?」
「いい、帰る」
やっぱり葉凪は不機嫌だった。
「祐樹は、どうする?」
「へ?あぁ…僕は、食べていこうかな」
「そっか、じゃあ私…帰るね」
葉凪が店を出て行く。
…ごめんな、葉凪。
「ごめん、二人とも」
「別に、祐樹のせいじゃねぇよ」
偶然なんだ、仕方ない。
「今日の夜、親に話す。…で、明日葉凪に言う」
「え?」
「余裕ねぇんだ、これ以上葉凪に嘘つけねぇ」
全部、全部伝えよう。