「…分かった」
信じるよ、そう言うと利琥がまた安堵の息を漏らす。
何なの、一体?
「葉凪、一緒に食べるか?」
潤が私に声を掛ける。
まるで機嫌取り。
「いい、帰る」
私はクルッと振り返った。
目の前には気まずそうに笑う祐樹。
「祐樹は、どうする?」
「へ?あぁ…僕は、食べていこうかな」
ヘヘヘと笑う祐樹。
「そっか、じゃあ私…帰るね」
ニコッと笑って、ファミレスを出る。
心に黒い靄を抱えながら。
「ただいまぁ」
玄関のドアを開けながら、リビングに声を掛ける。
「あ、葉凪!」
お父さんがうきうきしながらやって来た。
「何、どうしたの?」
「…いや、何も。…くくくっ」
何でそんな楽しそうに笑ってんの?
「お父さん?」
「あぁ、何でもないよ!あははは…、いや、すぐに分かるさ」
意味不明な言葉を残して、お父さんは自分の部屋に戻って行った。
おかしい、絶対おかしい。