「じゃあ…目、瞑って?」
「はい」
私はうきうきしてる祐樹のそばに寄る。
軽い、触れるだけのキス。
利琥…ごめんなさい。
「…これで、良い?」
「ごちそうさまっ」
祐樹はペロッと舌を出す。
…この子、悪魔だ。
小悪魔どころじゃない。
「じゃあ、明日…一緒に行こうね」
「…はい」
……憎めないのは、何でだろう。
「何やってんの?」
冷たい声を聞いた瞬間、本当に背筋が凍ったと思った。
「り…利琥」
み、見られた…?
「利琥こそ、どうしたの?」
祐樹はいたって平然。
「別に、お前ら探してた」
利琥の態度もいたって普通。
この様子だと、見てないよね…多分。
「利琥ごめんね、…祐樹戻ろっか」
「うん、そうだね」
「…怪しいな」
「え?」
「何してたんだよ、こんなとこで」
「べ、別に何にもっ!!」
「葉凪にキスされた」
「…ちょっ!!??」
やっぱり、祐樹は悪魔です。