「お前ってやっぱ、変わってるな」


彰は私の腰に腕を回して、ぎゅっと引き寄せた。


「ひゃ…っ」



違う、こんな事するために彰を呼んだんじゃない。


「葉凪…いい匂いする」

クンクンと鼻を嗅ぐ彰。



「やだっ…!」

ピクンと肩を揺らすと、スッと体が離れた。



「分かってるよ、俺じゃ…駄目なんだろ?」


「ごめん、私やっぱり…利琥が好き」



彰の妹さんを傷付けても。

最低だって思っても。

駄目なの。

私は利琥がいないと。




「あー、すっきりしたっ」


「彰……」



「気にすんな。俺は、何ともねぇよ」

「でもっ…!」


「俺様を誰だと思ってんだよ?」




―――ぎゅっ…


また、彰の胸の中。




「ごめん、もう少し…このままで……」


彰の声が震えてるのが分かった。






これは、さよならの合図。