「今あいつがつるんでる奴ら、何だっけ名前?」


「祐樹と潤と哉弥」



「うん、そいつら。利琥がそいつらに出会ったのは、転校先の学校。俺と出会ったのは転校前の学校。分かる?」


「うん」


利琥、転校してたんだ。



「俺ら、それなりに仲良かったわけよ」


「うん」



「でも、あいつが裏切ったわけ、俺を」


彰は私を見て笑う。

「……」


「まぁ簡単に言っちゃえば…俺の妹を壊した」


「壊した?」



「利琥が一回俺の家に遊びに来た時に俺の妹、完全に一目惚れ」

「それで?」


「もちろんあいつが妹なんかを相手にするわけないだろ?」



「…」

「まぁ、そのまま放っといてくれれば良かったんだけどな。利琥の奴、妹に手出しやがった」

「え…」


彰がスッと立ち上がり、どこか遠くを見る。



「中途半端に妹に手出したあげく、見捨てやっがった。お前なんか最初っから眼中にないって」


ひ、酷い。



「妹はそのまま引きこもり。俺はそんな妹を見てられなかった……今はなんとか立ち直ってるけど…、俺はあいつを許さない」


「彰…。ごめんなさいっ!!」


「へ?何でお前が謝んの?」

「だって…何か、申し訳なくて…」