「お前、それ」
私は、利琥の事を好きになる資格なんてないのかもしれない。
私の胸元に印されている紅いマーク。
紛れも無い、キスマーク。
「あ…っ!」
あの時、彰に付けられたもの。
いい訳する余裕なく、利琥の表情が一変する。
「俺がいない間に、男作ってたのか」
「違うよ…っ、これは、その…」
「何が寂しいだ。…最低だな」
サイテイダナ
「俺の事なんかどうでも良いんだろ?帰れよ」
「利琥、ごめんなさいっ…お願い、許して……っ」
「いいから帰れ!!!」
後悔しても、もう遅い。
私は利琥を裏切った。
「ごめんなさい…」
私は病室を飛び出した。
誰も追いかけてはくれない。
それが、自分のした事……。