私は一人、教室に戻っていた。
とりあえず彰の事は保留で。
祐樹たちはまだ中庭にいるみたい。
昼休みだっていうのに教室にはたくさんの人がいて、みんながこっちを見る。
痛い視線を感じながら席に着く。
「うわ…戻ってきちゃったよ」
「利琥様の次は彰様ってわけ?良いよね、モテる女は」
大声で嫌味を言われ、胸がちくちくする。
やめてよ…。
私はいてもたってもいられず、教室を出ようとした。
―――ガシッ!
それを許さなかったのは…昨日の女たち。
「逃げんなよ」
「離してよ!みんな…私が消えれば良いと思ってるんでしょ!?」
私の怒りの声に周りは唖然とする…、が。
「ぷっ!何怒ってんの?確かにあんたはいない方が良いよ?」
「だったら…!」
「でも、あんたは私たちの玩具なんだから、ちゃんと遊んでもらわないとっ」
女は私を弄んでるようだった。
「ふざけないで!あんたなんかっ!」
私は女を睨みつける。
「あ、一つ言っておくけど…私は柚子―ユズ―。あんたじゃないし」
足でお腹を蹴られる。
「ぐっ……」
その瞬間、嘔吐しそうになる。
「吐かないでよね、キモイから」
「うっ!!」
やば…っ!!
「やだー!さっさとトイレ行ってきなさいよ!!」
クラスのみんなが笑う。
何で私がこんな目に…。