「え…、どうしたんだよ」
『ううん、何でもないよ』
その声はまるで、涙をこらえているようだった。
いや、実際泣いてるんだろ。
「寂しい、な」
自然と言葉が出た。
「利琥?」
「俺、今すげぇ寂しい。早く逢いたいな」
やっぱ俺、葉凪がいないと駄目なんだな。
その時、葉凪の泣き声が大きくなった。
「葉凪、泣いてんのか?」
『私、頑張れると思ってた。一週間なんて…、あっという間だって』
「うん」
『でもね、でも…っ!今日一日だけでもすっごく長くって、利琥に逢いたくて…』
「…うん」
葉凪…。
『ずっと利琥の事考えてて…愛しくて、寂しくて』
「俺も同じ気持ちだよ。葉凪に早く逢いたい」
『うん、っ…うん』
良かった、俺たちの気持ちは一緒だったんだな。
しばらくしてから、電話を切る。
今日も、明日も、明後日も、葉凪が愛しくてたまらない。
よし…もう少し頑張るか。