ホテルに向かう途中で面白い店を発見。

そこの店員と仲良くなって盛り上がっていると、外はもう暗くなっていた。


「あ、やべ」






「利琥!心配したわよ!?」


姉ちゃんは既にホテルに帰ってきていたらしい。

部屋に入った瞬間、どやされた。



「悪かったって」


「もう…。8時には食事にしたいから、それまでにお風呂入ってきたら?」

「あぁ、そうするわ」




俺はタオルと浴衣を持って浴場へ。


「大理石、いいな」

ホテルは結構高級で、風呂も食事も最高だった。






荷物整理を終わらす頃には、結構遅い時間になっていた。


葉凪…まだ起きてるかな。

俺は半ば諦め状態で、葉凪に電話を掛ける。



『も、もしもし』

あ、出た!


「もしもし、俺だけど」


何か…緊張してきた。


「そっち、どう?」

『うん、別に普通だよ?』



「そっか。変な奴、寄ってきてないか?」


『大丈夫!私に寄ってくんのは虫だけだって!あはは』


虫って…だから天然は困るんだ。


「お前、分かってねぇなー、まぁ大丈夫ならいいけど」




……。

いきなりの沈黙。

「葉凪?」


呼びかけても返答なし。