今日一日、祐樹たちがいない。


三人それぞれの都合が、偶然重なっちゃったらしい。

つまり私は…独りぼっち。


「ごめんね葉凪!」

「葉凪、本当にすまない」


「ううん、気にしないで?行ってらっしゃい」


祐樹たちは私を心配してくれた。

その心遣いだけで十分。


私は笑って三人を見送った。


さて…今日も頑張りますか。

早足で教室に向かった。





教室に入った途端、嫌な空気が私を襲った。


「あら、今日は一人なのね」

クラス内の冷たい視線が私に刺さる。


理由は、分かってる。


祐樹たちを独占してたんだもんね。



気にしないようにして椅子に座ろうとした瞬間。



―――ガタンッ!!


「いったぁ…」

足を引っ掛けられた。


「あーら、ごめんなさい」

「あの方達がいないと、何にも出来ないのね」


クスクスと笑い声が聞こえる。



泣くもんか。


制服に付いた埃を払って椅子に座る。




「ねぇあんた、どうやって利琥様を落としたの?」


チャラい女が話しかけてくる。

その周りには似たような女子が数人。


「落とした?」

「どーせ卑怯な手でも使ったんでしょ?最低ね」