『え…、どうしたんだよ』

「ううん、何でもないよ」


駄目…心配掛けちゃ。




『寂しい、な』



「利琥?」

『俺、今すげぇ寂しい。早く逢いたいな』


―――溢れる。


『葉凪、泣いてんのか?』


―――流れる。


「私、頑張れると思ってた。一週間なんて…、あっという間だって」

『うん』


「でもね、でも…っ!今日一日だけでもすっごく長くって、利琥に逢いたくて…」

『…うん』


―――止まらない。


「ずっと利琥の事考えてて…愛しくて、寂しくて」


『俺も同じ気持ちだよ。葉凪に早く逢いたい』

「うん、っ…うん」



その後も利琥と私は気持ちを確認し合った。

利琥は忙しいはずなのに、ちゃんと聞いていてくれた。


『明日も電話する』


この一言で長かった電話は切れた。

でも、涙は止まらなかった。

早く逢いたい。


明日が早く来る事を願って、眠りに着いた。





次の日。


私はいつものように学校へ行く。

でも、昨日と違う事が一つ。


「え、何で?」


「親の頼みなんだ、今日は我慢してくれ」

「ごめんね、葉凪」