その日の夜。

お風呂に入ってベッドに寝転がっていた。


「はぁ…」

勉強しようと思ったけど、やる気が起きない。


お母さんの事を知ってから、気まずくてお父さんとも口を利いてない。

だって、お父さんは嘘を付いていた。


私の為だって分かってるけど、やっぱり許せない。




もう寝よっかな…。

そんな事を思ってると。


プルルルル…。


「誰だろ」

携帯を見ると…愛しの人の名前。


「り、利琥!?あ…あわわわわわ」


一人パニック状態。

そうだ、毎日電話してくれるって言ってたもんね!


とにかく出なきゃ!!



「も、もしもし」

『もしもし、俺だけど』


ひゃああ!!利琥だぁ…。



『そっち、どう?』

「うん、別に普通だよ?」


『そっか。変な奴、寄ってきてないか?』


利琥、心配性だなぁ。



「大丈夫!私に寄ってくるのは虫だけだって!あはは」

『お前、分かってねぇなー、まぁ大丈夫ならいいけど』




―――ポタッ


あれ…、何…これ。


『葉凪?』

止めどなく溢れる涙。


……逢いたい。