「葉凪、大丈夫だって。俺は浮気なんかしないし」
利琥は優しく私を抱き締める。
「…ごめん、本当は……分かってるけど…」
涙は止まらない。
「毎日電話するから」
「……うん」
「分かってくれるよな?」
「うん、分かったよ」
そう言うと、利琥は少しホッとした表情で私の頭を撫でた。
仕方ない事なんだ。
たった一週間、我慢しよう。
私はごしごし涙を拭いて笑った。
「行ってらっしゃい、利琥っ」
精一杯の涙だった。
利琥はほんのり顔を赤くして。
「じゃあ…俺らの愛でも確かめとくか」
「へ…?」
私の体温が一気に上昇する。
「何言ってんの、馬鹿!」
「何だよ、照れんなよー」
「照れてない!」
利琥、私待ってるから。
ずっと、待ってるから。
ちゃんと帰ってきて。