◇葉凪◇


…ビックリした。



まさかこの人が助けてくれるなんて…。




「あ、あの…霧野さ―――」


「利琥でいい」



…私はどこに連れて行かれるのでしょうか……?



「…っ、あ!」


「んだよ」

「私の鞄…どうして持ってるんですか?」



教室に置きっぱなしのはずじゃ…。


「気にすんな、別にどうでもいいだろ」


利琥は私を見ないまま、鞄を渡してくれた。



何か取られてないか、一応確認してると、


着いた先は…校門。

目の前には…


「利琥、遅いよぉ」


転入生の方たち…。



「ほら、行くぞ葉凪」


ちょ、まだ授業…っ


「早くーっ」

「は、はいっ…!!」



…何、この状況。