祐樹は笑顔のままパッと手を離した。
「もういいの?」
「うんっ!ありがとう」
「どういたしまして」
祐樹は気が済んだらしく潤の元へ。
その微笑ましい二人を見ていると背中がゾッとした。
「ひっ……」
ゆっくり後ろを振り返ると…悪魔君。
「…ちゃーんと癒してもらうぜ」
利琥はいきなり、私の手を引いてどこかへ走り出した。
「え、ええ!?ここじゃ駄目なの!?」
「駄目だな、あいつらが見るだろ」
「見ちゃ駄目なの!!?」
「駄目だな」
この人…私に何する気ですかっ!?
連れて来られたのは空き部屋。
「ここでいいか?何なら廊下でもいいけど?」
私はぶんぶん首を振った。
誰かに見られたら恥ずかし過ぎる!!
「…騒ぐなよ?面倒だから」
「じゃあ離してよ!」
「嫌だね、これは仕事だろ?」
「っ……!」
「あーでも、声は出してもいいぞ?」
「こ…声って?」