「遅い!!」

「あぁ…確かに遅いな」


葉凪が買い物に行ってから数十分…、葉凪は帰ってこない。



俺は不安と焦りでじっとしていられなくなり、周りを見渡したりその辺を行ったり来たり…。


「落ち着けよ利琥」



「あ…あぁ、でも」

心配で仕方ない、あいつはすぐに拉致られるから。



「僕、携帯で電話してみる」


「え、葉凪の番号知ってんの?」



「当たり前じゃん、好きなんだから」

ふん、と鼻で笑う憎たらしい祐樹……あとで教えろよ。



「とにかく、早く電話しろ」

「あ、うん」




-――プルルルル…


「出たっ!」

「本当か!?…っ貸せ!!」


祐樹から携帯を奪い取る。


「…あ、ちょっとぉ!!」

「もしもし、葉凪!?お前今どこに…」


『……』


葉凪…頼むから何か言ってくれ。


『翔、ここどこ?』


翔……!?

「おい葉凪…翔って…!?」



暫く葉凪と翔って奴の声が聞こえる。


『しゃーねぇな。…●○公園の裏だよ』

場所が確定した。


「…すぐ行く」