「ちょっと拓弥、もういいよ」


「ん…待って、もう少しだけ」



拓弥の手はどんどん私の身体の中心に…。




「拓弥!…私じゃなくて、葉凪なんだ」


拓弥はピタッと手を止める。

そして慌てて言う。


「んなわけねぇだろ?ただ、遊びたかっただけだよ」

「だったら…」


繭は拓弥の首に手を回して上目遣いで言う。


今…逃げられないかな?



私は縛られてるロープを、少し緩めた。

いける…!


「キスしてよ、拓弥」


「私、撮ってあげるよ!」

「仕方ねぇな…」



あいつらは完全に私の存在を忘れてる。


ロープが解ける。




「逃げんなよ」


ばれた…!!?



「っ……離して!」


「何、どうしたの翔」



「ううん、何でもないよ。こっちはこっちで楽しませてもらうわ」

「あー、もう写メったし…好きにしていいよ」


「止めて、離してよぉ!!」

もう嫌だ…嫌だ!!



私はある作戦を実行した。

「可愛いよ、葉凪ちゃ……んっ!?」


翔の胸倉を掴み、思いっ切りキスをした。



熱い、熱いキスを。怯ませるように。



私はその瞬間で、一気に突っ走った。

大丈夫、薬は切れてる。

とにかく、人のいる…明るい場所へ!!


「ちょっと、何やってんの!!?」