「…拓弥」

忘れもしない…恐怖。



「久しぶりだね」


全身に鳥肌が立つのを感じ、ぎゅっと目を瞑る。

そして、もう一人。



「何やってんのよあんたたち!!」



繭の叫び声を聞いて、目を開く。


「繭…!!?」

「葉凪、大丈夫!?」



何で、私を助けるの?

下手くそな演技……繭、私は全て知ってるんだよ?


「繭、やめて…どうせあんたも私を…っ」


「あ…なぁんだ、知ってたんだ。つまんなーい」



美優、拓弥、繭……みんなグルだったんだ。

…私、みんなに恨まれてたんだ。



「ねぇ聡、ちょっと代われ」


「えーっ、しょうがねぇなぁ拓弥」


お互いの名前知ってるって事は、そこも…仲間?



拓弥が私のブラウスに手を掛け、一気に引っ張る。



「ぁ…!」

「やだー、恥ずかしがってるじゃない」


「だったら…こうしてやるよ」


拓弥は私の胸に顔を埋める。



「…っ」

顔が真っ赤になる。嫌だ。嫌だ。



拓弥が私にキスをする。



その時。

―――カシャ


ハッとして、美優の方を見る。


「葉凪と拓弥、熱々なキスー激写!」