「聡史っ…やだ…っ」




「無理、歯止め利かない」


聡史は片手で私の両手首を掴み、完全に馬乗りになる。

「やっ…聡史……っ」


慣れた手つきでブラウスのボタンを外され、キスされる。




聡史は結構、女たらしだからこんなのただの遊びかもしれない。

聡史にとっては、大した事じゃないのかもしれない。


だけど…私にとっては、

こんな形で初めてを奪われるなんて…




―――――バンッッッ!!


「っっ…葉凪!」


え…っ

……今朝の…人?


「おい、葉凪から離れろ!」


な…何が起こったの…



訳も分からないまま、ベッドから降ろされ、引き寄せられる。


「誰、君」


「こいつと同じクラスの霧野 利琥…覚えときやがれ」



そう言い捨てると、私の手首を掴んだまま保健室を出た。


私は、聡史の顔を見れなかった。