◇葉凪◇

私たちは誤解を解く事が出来て、元の仲良しに戻った。


でも。

私の考えは甘かったのかな…。


美優は懲りたと思っていたし、利琥は私の事、信じてくれると思っていたし。



……全部、思い違いだったんだね。

美優の復讐は、終わってなんかなかったんだ。








いつもと同じように買い物に出掛けてるとき。



「あ、れ?こんな所にスーパーができてる」


スーパーといってもおばちゃんが一人で経営してる小さなお店だ。

何気なく中に入ってみる。


「あら、いらっしゃい!今日はお嬢ちゃんがメイドなのかい?」



え…何で?

「あの…何でその事…」


「いや、前にもこの時間に毎日来る女の子がいてねぇ…私、メイド様なんだーって」



美優…そんな事言ってたんだ。



このお店ができてからおばちゃんと仲良くなるまで……美優はメイドを楽しんでたんだ。


そう思うと胸が痛む。

私は早めにそのお店で必要な物を買うと、会計を済ませた。




「バイバイおばちゃん!」

「ありがとねー」



私は早足に学校へ戻った。




後ろから私を追いかける黒い影には気付かずに…。