美優はポケットから写真を取り出した。
「この…写真ね、葉凪に見せた」
「あぁ」
「で…葉凪に、写真を祐樹たちに見せるって言ったの」
「祐樹たちに?」
「うん…葉凪は、それはやめてって言った……だから、条件を出したの」
「条件?」
「利琥に別れろって…言えって」
なるほどな…それで葉凪は…。
「何でそんな条件を?」
「だって…私、利琥の事大好きなんだもん!!」
「……?」
こいつ今、何て言った?
「でも利琥は葉凪が好きだから…だから2人を引き離したくて!!」
「ふざけんな…なめてんじゃねぇぞ」
俺は拳を握り締める。
「ごめんなさい…!!」
「謝ってなんか欲しくねぇんだよ!」
「っ…」
美優の体が震える。
「距離、置こうか」
「お願いっ!…好きなの」
「本当に俺が好きなら……諦めてくれ」
「……っ!!」
ここまで言ったら…もう、いいだろ。
「ごめんな、好きになってくれてありがとう」
「っ…うぅ……!!」
俺は泣き崩れた美優を落ち着かせた後、中庭へ急いだ。
俺は走った。
葉凪に逢える…誤解が解ける!!