「逃げるな!!ちゃんと話せ!!!」

「離して…っ」


みんなが私の手を掴む。



「葉凪…僕たちの事が嫌いなの!?」


「そうじゃないよっ!みんなは関係ない!」



「関係ない…!?だったら何で逃げようとするんだ!」

私はみんなを裏切ってる……分かってる!!


「利琥の為!!」


叫んだ途端みんなの表情が変わり、後悔する。

言っちゃった…。



「あ…いや…その……」


「哉弥。利琥、呼んで来い」

「…あぁ」




「ちょっと待って!やめて!!」

それじゃあ意味がないんだってば!!



「葉凪…君が犠牲になる必要はないんだ」



「駄目なの!こうでもしないと利琥が……利琥が!!」


「俺たちは、葉凪も利琥も信じてるよ」

「…え?」



「どんな言葉も俺達は信じるから…!」


雫が頬を伝う。

私、何をしていたんだろう。



そうだ、私には信頼できる仲間がいるじゃん。

逃げちゃ…駄目だよね。


「取りあえず、利琥呼んでくるわ」





「俺ならここにいるけど」