◇葉凪◇

私の目の前には、美優がいる。


美優は写真をピラピラさせながら笑っている。

「美優、話ってなに?」



「…私さ、利琥にキスされちゃった」


「は?」

そんな嘘、誰が信じるのよ。


「これが証拠」



美優は、はいっ!と私に写真を手渡してきた。

思わず、それに目を移す。




信じたくない現実が、そこにはあった。



「なに、これ…」


声が震えて、思考が止まる。

頬を染めて、強く抱き合いながら、夢中になってキスしている二人。





「私、この写真…祐樹たちに見せようと思ってるの」


美優はふふん、と鼻を鳴らす。



「え…!?」


「祐樹たち多分、利琥を軽蔑するでしょうね?」



「や、やめてよ!」

利琥を傷付けるのは私が許さない。





「じゃあ…条件聞いてくれる?」