ぺたぺたとサンダルの音を立て、白衣を纏った悪魔が近付いてくる。
「ど、どうしたの…?」
聞き慣れないその声に戸惑いながら、尋ねる。
「俺さ、今フリーなんだよね」
その意味がわかった時には、
聡史の手が私の腕をがっちり掴み、
押し倒されながら唇を重ねられてた。
「んっ……ふっ……」
逃げようと拒んでも、聡史の強い力が許さない。
息を吸おうと口をあけると、そこから生暖かい物が侵入してくる。
「や、ぁ…っふぅ」
どうして聡史がこんな事をするのか。
それを考える事も出来なくなった頃、
静かに唇が離れた。
しかし、お互いの唾液から出来た細い糸は二人を繋いだまま。
恥ずかしくなって、手で口元を拭いた。
「…さ、とし…っ」
「可愛いよ、葉凪」