◆利琥◆

俺は、甘かったのかもしれない。


まさか美優がここまでするとは思ってなかったし。

それに、ここまで葉凪に信用されてないとも思ってなかった。





それは、翌日に起きた。



「利琥、見てよこれ。…写真、現像したんだ」

写真の内容は、俺と美優が熱くキスしてるものだった。



「見せるよ、葉凪に」

「上等だよ」


こんなもん、脅しの道具にもならねぇ。






そして放課後。



「利琥…ちょっといい?」


俺は葉凪に呼び出されていた。


「え、何かあった?」

俺はわざと、とぼけてみせる。



「うん、ちょっと…」



葉凪は不安そうな顔をしてる。

でも大丈夫だよ葉凪、そんな心配すぐ消えるから。





「別れてほしいの」


は?



「…あぁ、写真見たのか」

一瞬戸惑ったけど、すぐに写真のことを思い出してホッとする。





「写真て何のこと?…とにかく、別れて」