「…おかえり、葉凪」


美優がいなくなった後、改めて祐樹に言われた。



「お帰り、葉凪」

「葉凪ちゃんおかえりっ!」


みんなの声を聞いて、じぃんと目頭が熱くなる。


「…おかえり」



利琥のその言葉を聞いた瞬間、溢れ出した。


「…っ、ただいま!」

やっと、胸につっかえていた何かが取れた。


やっぱりここが、私の居場所なんだ。





―――ペロッ


「んぁ…!?」


抱き付いてきた祐樹に耳を舐められて、思わず変な声が出てしまった。



「てめ、祐樹!葉凪に触んな!!!」

利琥が怒鳴り声を上げて、私と祐樹を引き離す。


「いいじゃんか、別にー」


「いいわけあるか!!」




耳を押さえても、熱は下がらない。





「お前らまじで、気安く葉凪に手出すなよ」

利琥が祐樹たちに釘を刺す。



やっぱり……みんなと一緒にいる私が、一番私らしくいられる気がする。