「俺と…付き合ってほしい」
「え…!?」
こうすれば葉凪もこいつらも傷付かないんだ。
これでいいんだ、これで…。
「何言ってんだよ!?利琥…正気か?」
「あぁ、いいよな美優」
「え…あ、あぁ…うん」
何、戸惑ってんだよ…お前が言ったんだろ?
「ふざけないでよ!!利琥、葉凪が好きなんじゃないの!?だからあの時、僕が葉凪にキスした時…あんなに怒ったんじゃないの!!?」
そうだよ祐樹…その通りだ。
だけどしょうがないだろ…あいつを守る為にこうしてるんだ。
「お前には関係ないだろ」
「関係あるよ!!…この子と付き合うなら…っ、もうここへは来るな!!」
「祐樹…!何言ってるんだ」
「だってそうだろ!?利琥は裏切り者じゃないか!」
「…祐樹!言い過ぎだ!」
何だよ、そんな事でいいのか。
簡単すぎる。
「分かったよ、もうここへは来ない」
「利琥!?」
「それと、二度と葉凪に近付くな…」
は…?それは却下。
「それは出来ない」
「どうして!?この子が好きなんだろ!?葉凪なんてどーでもいいんだろ!!?」
祐樹…お前、本気なんだよな。
俺が葉凪を想ってきただけ、お前も想ってきたんだよな。
……仕方ない、ことなのか。
「分かったよ」
俺は美優の手を引いて走り出した。
今日限りでこいつらとも、お別れだ。
「利琥…今日から私のものね」
「あぁ…そうだな」
「ふふ、楽しくやりましょ?」
「写真は消せよ」
「えぇ、分かった」
これでみんなが悲しまないで済むんだ。
俺一人が、犠牲になればいいんだー…。