私が俯いてると…。

「実は…見ちゃったんだ」


繭が重い口を開いた。


え…見た?



「見たって、何を?」

「その、昨日……」


…それって、まさか。



「でもね!?私が見たのは葉凪が準備室から出てきてトイレに行ってるところで…ごめんね!?…助けてあげられなくて……」


あぁ、あの時…繭いたんだ。


「私、葉凪が出て行った後、準備室行って…拓弥っていう人から事情聞いて…」

「え…!?」


「三発ぐらい殴っちゃった!葉凪の仇…ちゃんと討っといたからね」



繭……。

「繭ぅ…」


「どんな事があっても…葉凪の事、守るからね!!」

「うん…!!」


こうして私たちは学校へ向かった。


私は、繭に救われたと…繭が友達でよかったと…本気で思っていたんだ。




学校に着くと、すぐに見つけてしまった。

「おはよ…葉凪」


しかも、話しかけられた。


「うっさいな!葉凪に話しかけんな!!」


繭が庇ってくれる。

「…繭ちゃん」


「てめぇ、葉凪の事泣かしたら許さねぇからな」




繭、本当に嬉しかったんだよ?

なのに…どうして。