-バシッッ

鈍い音が狭い空間に響いた・・・。

「----はぁっ・・・はぁっ・・・」

母親の荒い息使い。

母親の前には血を流して倒れている父親

「ママ、どうしたの・・・??パパは何で、こんなに痛そうなの??」

まだ、幼かった私は父親が怪我したと思っていた。

「沙代・・・。」

そんな父親を前に母親は私を引っ張って、家を後にした

「ママ、パパまだ家だよ?痛そうだよ・・・」

「いいのよ、沙代」

そう言って母親は、しゃがみ込んで私の目をのぞき込んだ

「いい?沙代。よく、聞くのよ。今日見たことは誰にも言っちゃだめよ?それと、あなたにはパパはいなかったの。あの人は今まで一緒に住んでた、おじさんよ。だから、あの人はパパじゃない。分かった・・・??」

「でも・・・」

「とにかく、今日の事は忘れなさい!!!」

---ビクッ

そういって、私を見たお母さんは今までにないくらい恐ろしい目をしていた。

その顔は悪魔そのものだった・・・

7年たった今でも、それをはっきりと覚えてる・・・。