私は岩陰に息を潜めた。





「はぁはぁ………どこだ?」





海から顔を上げた男は息を切らせて
辺りを見回した。




あ、あれ。




男の胸元に見えたネックレス。

あれは私が十年前あの男の子にあげたものだった。





*