_________________
[天音]

突然声がした。

「誰?」

目の前に男の子が立っていた。

[僕だよ]

「僕じゃわからないよ」

[天音は僕のことわからないんだ・・・。忘れちゃったの?]

男の子はそう言って消えた。

「ねぇ!!誰なの?教えてよ!!」
_________________

「っ!!」

「あ・・・ごめん起こした?」

見渡すと白い天井に翼の顔。

「ここ・・・?」

「保健室。軽い貧血だって」

「そっか・・・。」

だからここで寝てたんだ。

「ずっとうなされてたけど大丈夫?」

「大丈夫。でもね?男の子がいた」

「え?」

「男の子が僕だよって言ってた。でも、誰だかわかんなかった。」

「大丈夫。気にすることないよ」

「そう・・・だよね」

私はこの後何が起こるかも知らずにそう答えた。