時々

自分の頭を

壁に、扉に、床に

叩き付けたくなるんだ





それは決まって

真夜中に





隣の部屋から

微かに聞こえる

母親の喘ぐ声と





新しい、父親の

荒い息遣いを

ベッドの中で聞く度に





僕は

自分の頭を

ぶち壊したくなるんだ





アイツを見る度に

嫌悪感が膨れ上がる





―――どうしてだろう?




何か大切なこと

忘れてる気がする









       《終》