その日僕は学校が終わって、土手を歩いてた。 通学路からは外れるんだけど、川のキラキラした流れを見るのが好きで、たまに内緒でここを通るんだ。 母親には危ないからダメって言われるんだけどね。 いつも通り、川のそばをぼんやりと歩いてる時だった。 「や………」 背の高いすすきが生い茂る中から微かに声が聞こえた気がした。 「……?」 少し怖いと思ったんだけど、そっと声のしたほうに近付いてみたんだ。