「…………」


「…………」



そして場は沈黙、蛙の鳴き声が外から聞こえてきて、時折風鈴がちりんと鳴るだけ。



なんていうか、次言葉を発したりしたら負け、みたいな雰囲気満々。


視線すらそらせなくて、一触即発。



だけどそんな中、虎は……いや朝虎は妖しく微笑んで、綺麗な唇を歪ませる。



「まあ、後悔はさせねぇ、むし……」


「だーっ!! もう限界! 虎の口でそれ以上言うなぁっ!!」



そんなこと言われたら今後が気まずいわ! と頭の中で何かが弾けて、咄嗟に掴んだはグラス。


まだたっぷり麦茶が入ったままの。



それは勿論、私の手で持ち上げられ、前に突き出され。



中身は見事に座っている方のお顔に。



我ながら……頑張ったと思う。


この後が怖いけど、それよりも今をなんとかしたかったんだ……うん、そうだ私、間違ってない。