なので必死に私はフライパンを握っているわけで。


ささっと作れるものにしなきゃ、と思って豚の生姜焼きにきゅうりと蛸の酢の物に、きのこのお味噌汁を急いで準備する。



あんまりご飯に文句は言わないから、もっとレトルト利用でもっと簡単に作れるものでも良かったんだけど。


朝虎じゃ……わからないから。



というかね、まずまだ午後七時なのよ!?


そんな焦る時間でもないのに、夜が早い虎は「遅い」と言う。


まあ昼食べないし……今日は私も食べ損ねたからいいですけど。


食べ損ねたのは手握ったまま長時間爆睡してた朝虎様のおかげですけど。



こんなとき、母の偉大さを感じてしまう。


何があって遅くなったって、手際よく四人分もご飯作ってたもんなぁ。



しみじみと感傷に耽り、そんな気配を察知されたのか後ろからヤジが飛ばされ、また手を動かす。