「しゃあねぇな。じゃあ寝るまで横に座ってろ」



かな……なんて思ったんですけど。


なんか案外、いやわかっちゃいたけど強いな、朝虎って。



なんだろう、どう思えばいいのだ、これは。


そう思っていると私の方に頭を向け、虎が横になった。


自分の片腕を枕にして。



「って、え、ちょっ……」


「こんぐらいいいだろ、減るもんじゃなし」



座ってるだけならまあ、と思っていたら。


虎の開いた片手が、私の手をひっぱり無理矢理手を握ってくる。


そのままもう何も言わず、瞼を閉じたのだけれど。



やだ……なんだかものすごい恥ずかしい……



第一そんなしっかり握られたら、ここから動けないじゃない。



心の中でそう突っ込みを入れてから。



静かになった虎の顔をなんとなく眺めていた。