「えーっと、そうそう、わらび餅があるんだけど食べる?」



馬鹿か、私は。



朝ご飯を食べた直後にその提案もないだろう、と我ながら突っ込みたくなる。



だけど、虎は、朝虎は。



「お前は、優しいな」



私の顔を、目を見て、ふっと笑った。


滅多に見れない表情に、私の心臓はあっさりとくんと脈を打つ。



「お前が気を揉む必要はねぇよ」



口は悪いけど。


なんだかちょっと、ううん、かなり嬉しかった。



「ありがとう」



そう素直に口から零れると、虎の顔はちょっと照れたような表情になる。


嫌だ嫌だと思っていた朝虎は。


普段とは比べ物にならないぐらい、表情が豊かになるらしい。