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朝ご飯を食べても、朝虎様はどこにもいかなかった。



「茶」


「はい」



そんな会話は一見いつもと変わらないのだけれど、あ、いやなんかもう会話のない熟年夫婦みたいで嫌なんですけど。


普段なら無に近い表情が、今日はよく変わる。


そしてそれは良い方にベクトルが向いていなくって。



「辛気くせぇ顔すんじゃねぇ」



リアクションが薄くても、何も言わなくても、普段の虎がいかに有難いかを悟った気がする。


第一、朝虎とどうやって過ごしたらいいかわからない。


虎ならこの後のんびり散歩にでも行ったり、畑仕事をしたりして、昼寝するのに。



朝虎は、未だに服着ないし。