「ゲルゴア…ローザス!?ローザスに造られた、っていったいどういう。」

あまりにも唐突な話にアストンが聞き返すとゲルゴアはまた人懐っこい笑顔をした。

「これは失礼。話を要約し過ぎてしまったようじゃ。私は…我々はローザス様より肉体の一部を譲り受け生を得る。単細胞生物の分裂と考えれば分かりも良かろうて。我々は、そう我々だが…我々はローザス様自身でもある。少しは理解できたかの？」

するとジンはいつのまにか現れた異様な建物の存在に気付き後退りした。

「ようやく視認できたようですな。あなた方の目の前に見えている場所にローザス様がいらっしゃる。しかしあなた方はあの城に辿り着くことはできない。」

その時初めてゲルゴアは不気味な笑みを見せた。

「つまりあんたがオレ達を止めるってワケだろ。」

カムイは直ぐ様戦闘態勢に入り孔気刀を作り出した。

そしてゲルゴアに切り掛かる。

ゲルゴアの腹部を切り裂く手の感触は一瞬にして消えた。

そして気が付いた時にはゲルゴアはカムイの孔気刀の切っ先に立っていた。

「確かにローザス様の元に辿り着けないのは止めるからじゃ。…が私ではなく、我々が。じゃよ。」