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「商品→おかね→商品」という変身は、
商品を売ったらおかねになり、
そのおかねでべつの商品を買って、
おしまいになる。

もしそれでも、
おかねが、
スタート地点に帰ってくるなら、
それは、
この変身をもういちど、
くり返すことで、
そうなるのだ。

もし布職人が、
2mの布を5000円で売り、
その5000円で上着を買うなら、
この5000円は、
使われて、
二度と戻ってこない。

この5000円で、
ほかになにも、
買うことはできない。

それは、
服屋のものになる。

もういちど布を売るなら、
5000円が手もとにくる。

しかしこれは、
はじめの取り引きの結果ではない。

もういちど取り引きを、
くり返しただけだ。

だから、
この5000円で買い物をしてしまうと、
また、
5000円は出ていって、
帰ってこない。

だから、
「商品→おかね→商品」は、
おかねが戻ってくることとは、
関係がない。