踏み潰されて捻れた缶ジュースの空き缶はよく道端に捨ててある。

酷い捻れ方をして捨ててある空き缶を見ると、その時に飲んで捨てた人の心がそのまま空き缶に現れているように思う時がある。


そんな事を錆びれたベンチに座りながら考えていたら、目の前にバスが停まっていたので慌てて空き缶をダスタシュートに投げ混んでバスに飲み込まれるようにして乗り込んだ。


夢、理想、希望...。誰もが望むけれど中々手に入らないもの。
そしてそれは目に見えるものではなくて自分自身で感じるもの。


バスの窓から流れる景色を見ていると、そんなありふれた夢だとか、理想だとか、希望だとか...そんな事を流れる街に照らし合わせて考えてしまう。


飾られた世界にその答えがあるのか。
その世界に住む人々はそれを手に入れているのか。


そして僕はそれらを本当の意味で感じられるようになるのか...。