「ただいま、お兄ちゃん」

──おかえり、雨峰
今日は遅かったな

「…うん、友達と遊んでたの」

──友達?!友達って誰!?まさか男じゃないだろうな?!

「バーッカ!心配しすぎ!女のコよ、女!」

──女でもダメっ!オレ以外のヤツと遊ぶなー!!雨峰はオレのもんだからな!!





「…うん、そう。雨峰はお兄ちゃんのもの」

お兄ちゃん以外、あたしは愛さないよ。

ねぇ
だから








「…早く目を醒ましてぇ…お兄ちゃん…」

生命を維持するための機具、配線。

それらは部屋で眠り続けるお兄ちゃんの命を細々と紡いでいた。

お兄ちゃんの眠るベッドに寄りかかり、お兄ちゃんの呼吸音を聞くの。

「スー…シュコー…」

同じリズムの呼吸。お兄ちゃんが生きている証。





…ね、どうしてこんな事になっちゃったんだろ?

兄妹で愛しあっちゃったから?
兄妹で身体の繋がりをもってしまったから?

でもそれほど悪い事だとは思わなかったよ。

だって誰にも迷惑かけてないもん。

めっちゃラブラブしてただけだもん。

二人で生きてくって誓っただけだもん。

でも、お兄ちゃんは違ったの?