私の反応を見るためにアズマは無理矢理キスしたのだと分かった。

アズマが嫌な笑顔を見せる。

「ん?どんな男だ?お前の客か?もうSweetPainは飲ませたのか?」

「何の話し?私に男なんているはずないじゃない」

最悪、男の存在はバレたとしてもそれが透依だとは知られちゃいけない。

佳依に知られると困ったことになる。
何が起きるか分からないけど、とにかくマズイって事はたしか。

だからごまかさなきゃ。

「俺に知られたくない相手なのか…男にお前の正体を知られたくないから隠すのか…」

「いい加減にしてよ!それはアズマの妄想でしょ?!私、本当に体調悪いの!!」

「…あ、そ。じゃ帰るわ。じゃーな」

アズマはまだ何か言いたそうだったけど、諦めて帰っていった。

私はホッとした。

何とかごまかせたし、アズマが不機嫌でも構わない。もう彼に捨てられる事を恐れて彼の機嫌を気にする必要もないもの。



───バッグの中には補充分のSweetPainが入ってる…

携帯には透依からのラブメール。

待っててね、透依。私ちゃんとするから。




今夜も会えると言っていたのに、透依とは三日間も会うことはできなかった。