ああ…私、何してるんだろ。
寂しいからって、また男に頼ってしまった。
目が覚めた時、自分のしてる事に嫌気がさした。
でも久しぶりによく眠れた。青山くん、ずっと腕枕してくれてたんだ…
いえ、透依って呼ばなきゃね。数時間前から私の彼氏なんだから。
私が起き上がると、透依も目覚めた。
「レイナ…?今何時?」
「ええと、待って」
ホテルって暗い。朝か夜中かもわからない。私は起きてバッグの中にある携帯を見た。
「二時。夜中の」
「あ──…夜中か…」
何かを諦めたように透依は枕に顔を埋めた。
「帰らなきゃいけなかったの?ゴメンね…」
「未だに親がうるさいんだよ。情けねーよな」
ああ、そうよね。
透依の家が厳しい理由を私は知っていたから、それ以上聞いたりはしなかった。
「仕方ないよ。今から帰る?」
「いいよ、今帰っても朝帰っても同じだから。それならレイナと一緒に居るよ」
「うん…ありがと」
そう言って透依が広げた腕の中に、私は顔を埋めた。
トクン・トクン・トクン
少し高めの体温と同じリズムを刻む鼓動に安心する。
それにしても…透依と付き合うなんて思ってもみなかったな。