また、レイナは泣いていた。
怖い夢を見て泣く子供みたいだ。

一秒一秒、時が刻まれるごとにオレのおかしな考えは膨らんでいった。

──レイナをなんとかしてやりたい。

オレなら…救えるんじゃないか?

救えないにしても、心の痛みは和らぐだろう。

バカな事を言ってんな…何を考えてんだ?オレには美夜という本命の彼女がいるのに。

レイナと付き合うって事になったら美夜はどうする?

ドウスル……?………






「ごめんなさい…悪かったわね。もう大丈夫…」

「ちっとも大丈夫じゃないくせに'大丈夫'とか言うなよな。それって嘘じゃん」

「でも、自然と出るのよ。'大丈夫'って。もう口ぐせみたいになってる。だけど、そう言うしかないのよ。

誰も私の気持ち全てを受け止めてくれるわけじゃないって分かるから…」

「オレ…じゃ無理か?」

「え?」

「レイナの事をどれだけ好きなのか分かんないけど…オレならレイナを受け入れられるような気がするんだ」

迷いながらも、オレはそう言ってしまっていた。

頭の片隅に美夜が居るのに。
彼女の存在を感じてるのに。




「ほ、本気で言ってるの…?青山くん」

「うん…本気だよ」