涙でにじむ景色の中、ぼんやりと見えるアマゾンが静かに言った。

「きっと…ううん、絶対レイナちゃんの支えになってたと思うよ。

だって、ホントによく見てたもん」

「──ありがと…」





それ以上は言葉にならなかった。

──オレがレイナに救われた。

レイナを救いたいと思っていたのに、結局はオレの方が彼女に救われてる。
そんな気がしてならない。




本音をぶつけ合い、互いに許し許される事から愛情や絆が深まるのだと聞いた事がある。

オレ達は傷を舐め合ってただけだ。

まだまだ時間が必要だったと思う。
そんなに簡単に絆は生まれない。




だから
もう一度会いたいって思うよ


今度はお前を幸せにする

だからもし
何十年かして再会できたら、オレの事を愛してくれよな…






『プライベート・スカイ』の中から

アマゾンは自分のお気に入りだと言う画像を探して携帯の画面に表示させた。

───深い空の蒼と
朝焼けが始まる地平線。
徹夜明けに見つけて夢中で撮った空の色。

『オレのもの』

そうタイトルをつけた。



「あたし達は最後までズルズルと生きてこうね」

アマゾンが頼もしく笑っていた。