透依は苦しそうに、そう言った。

その心境をまるで理解できないワケじゃない。
透依が感じている不信感や、裏切られた悔しさは分かってるつもり。

でも私は…とにかく透依に対して許して欲しいって気持ちでいっぱいだった。

許して

そして受け入れてほしかった。

今すぐは無理でも、いつか許してくれるんじゃないかって

甘い期待を抱いていた。

「透依、今はどうなるのか分からない。でも言ったよね?ちゃんと警察に自首して、罪を償って、人生リセットすればいいって──」

透依の腕に触れようとしたのに、彼は私の手を乱暴に振り払った。

「触るな」

「透…!?」

「オレに触るな」

「どう…して…」

急に心臓の鼓動が早くなる。
悪い予感がして、息が苦しくなった。

「もう無理」

「何が…無理なの?」

「もう一生、お前達を信用できないと思うし、したいとも思わない」

「どうしてそんな風に言うの?確かに私達のしてきた事は悪い事だったけど、でもリセットすれば──」

「もう愛せないって言ってんだよ!お前らなんか大嫌いだ!」






───私

心のドコかに、まだ透依に愛されてるという自信があったの…