透依に怒鳴られて、私はドキッとした。

「お前らが何を言っても信じられない。ウソや作り話しにしか思えない」

「本当なのよ?!私は全部本当の事を話したわ!佳依だってそうだと思う!」

こんな時に、これ以上ウソをつく理由もメリットもない。

だから佳依の話しは本当だと思うし

これが佳依の本当の心だと思った。

だから透依に信じてほしいと思ったのに、全てが裏目に出てる気がして後悔した。

どうすれば信じてもらえるの…?

「ねぇ、いきなり全部を信じろとは言わないわ。でも、どれか一つでもいいから信じてみて?本当の事だって思ってみてよ」

「それで信じて?後で裏切るんだろ?

そんな風に、単純に騙されるオレを見て楽しい?オレが苦しむのを見て笑ってるんだろ?」

「そんな事しないわ!騙したくて嘘をついたわけじゃないもの!」

「どうだかな」

私だってたくさん傷ついて生きてきた。
佳依だって、心に傷を負ったまま生きてきてしまった。

だから傷の痛みを知っている。

人を傷つける怖さを知っていたはずなのに

何故こんな事に?




「お願い、私達のこと信じてよ!」

「イヤだ!もう傷つけられるのはたくさんだ…!」