「ダメよ!透依の人生まで狂ってしまう」

「オレのことなんかどうだっていいよ!今はレイナのこれからを考えなきゃダメだ」

「透依は知らないから!何にも知らないから軽く考えてるのよ!もし佳依までもが捕まってしまったら──」

「どうなっても構わないって言ってるだろ!」

「透…依」

イライラして、レイナを怒鳴りつけた。
一瞬の沈黙ができる。

「自分の心配をしろ!とにかく自首して全てを告白するんだ!そうじゃなきゃ──

オレはこれ以上、お前を愛せそうにないよ!」

「そんな…」

「言い訳は、もうウンザリだ!どうやったってお前は悪い事をしたんだよ!そんな事くらい分かってるだろ!?」

「…」

「レイナ、オレも一緒に行くから警察に行こうよ」

「…」

レイナは膝を抱え、身体を小さくさせた。

「レイナ?」

目をギュッと瞑り、両耳を手で覆う。

「…一晩でいい。考えさせて…」

決心がつかないのか。…そりゃそうだ。

オレだって混乱してるし、本当はどうしたらいいのか判断に迷ってる。

「分かった。横になって落ち着いて考えな。オレも隣に居るから」

「うん…」

レイナはそのまま布団の中に潜り込んだ。